わかき母の香 | ◆気になる言葉たち◆短歌と詩と

わかき母の香

ハンカチを舐めてわが頬ふきゐたりわかき母の香ふいによぎりぬ


あこがれの横山未来子さんに選んでいただき、短歌雑誌の活字になりました。


自由題です。


「早稲田」行きのバスに乗って祖父の家へ行くときに

母はよく私の顔の汚れている部分をハンカチでふいてくれました。


最近、そのときの母の口の香が一瞬よぎりました。

しかし、その後ふたたびその香を引きもどすことはできていません。

不思議な一瞬でした。